今回はメンタルについて考えましょう。
このテーマとても重要で、実は一番大事な事なんじゃないかな?とまで思っています。
FXに限らず投資やギャンブルする方なら必須科目です。
意思決定の不合理

投資する上で一番の敵は「人間の本能」です。
とても手強いですが、敵を知ることはとても大切です。
しっかり向き合いましょう。
トレードルール守れていますか?
まずみなさんに聞きたいことがあります。
トレードをする上で自分ルールを決めてる方がほどんどだと思いますが、
そのルールちゃんと守れていますか?
同じ手法でやっているのに、勝っている人もいれば負ける人もいる。
実はこれ手法ではなくルールを守れているかどうかの違いが大きいです。
世の中にはいろんなFXの手法がありますが、、
どの手法でもある程度は勝てるはずなんです。
大きく負ける時ってだいたいルールを守れなかった時じゃないですか?
ぼくも何度もルール外のトレードをして損を出してます。
では、なぜ人間はそんな失敗を繰り返すのでしょうか?
それは「プロスペクト理論」の中に答えがあります。
例題)利益獲得局面では確実性を好む(危険回避的)

突然ですが、問題です!
2つ問題を出しますね。3分あれば回答できます。
よく例題にされる問題なのでご存知の方もいるかもしれませんが、
お付き合いください!
あなたにとって得なゲームをしましょう。どちらか選んでください。
A 無条件で9万円もらえる。
B サイコロを振って奇数が出れば20万円もらえる。
ただし、偶数が出れば0円です。
さて、どちらを選びますか?
この場合、大半の方は A を選ぶと思います。
現実では A でも良いかもしれませんが、
投資の場合においては B が正解です。
この問題のキーワードは「期待値」です。
期待値という言葉は高校数学で習っていると思います。
仮に忘れていても馴染みのある言葉じゃないでしょうか?
1回の試行で得られる値の平均値のこと。
得られうるすべての値とそれが起こる確率の積を足し合わせたもの。
投資やギャンブルにおいては掛け金に対して戻ってくる見込み金額のこと。
この「期待値」ですが、投資においてもとても重要です。
余談ですが、宝くじの期待値は50%以下なんですよね。
仮に300円×10枚買ったとします。
当たる見込み金額は1,500円を下回るので買うだけ損ですね。。
もし宝くじを頻繁に買っているなら他のものにお金を使った方いいと思いますよ。
意外かもしれませんがカジノは95%と言われていて
パチンコや競艇、競馬よりも高いと言われています。
そんな理由からもぼくはカジノが好きです。
少し話がそれましたが、先ほどの問題を振り返りましょう。
それぞれの期待値はこのようになります。
A 期待値 → 9万円
B 期待値 → 10万円 50%の確率で20万円もらえる為
B > A
B の方が期待値が高いですね。
ではなぜ A を選んでしまうのか。
それは人間は本能的に「利益を得られないリスクを回避したい」と脳が働くからです。
例題)損失局面ではギャンブルを好む(危険追求的)
さて、もう一問お付き合いください。
今度は逆にあなたにとって損なゲームをしましょう。
A 無条件で9万円とられる(没収)
B サイコロを振って奇数が出れば20万円没収
ただし、偶数が出れば何もとりません。
どっちを選んでも辛いですが、どちらかを選ばなくてはいけません。
さて、どちらを選びますか?
大半の方は B を選ぶのではないでしょうか。
この場合は A が正解です。
さて、解説にいきましょう。
それぞれの期待値はこうなります。
A 期待値 → -9万円
B 期待値 → -10万円 50%の確率で20万円没収の為
A > B
ではなぜ B を選んでしまうのか。
それは人間は本能的に「損失を出したく無い!何かしら回避できないのか」
と脳が働くからです。
似た様な例をあげます。
こちらはより共感いただけるのではないでしょうか?
たまたま宝くじのスクラッチ当たりくじを拾った事にしましょう。
どうやら、一等の100万円だったみたいです。
とてもラッキーですね。
欲しい物をイメージしてたら換金前に無くしてしまいました。
この場合、
お金を得た喜びよりも失った悲しみの方が大きくなります。
お金を失った悲しみ > お金を得た喜び
これがプロスペクト理論です。
プロスペクト理論とは

プロスペクト理論を体験して頂いたところで改めてご説明します。
プロスペクト理論は行動経済学の代表的な理論
行動経済学に代表的な理論です。
不確実性下における意思決定モデルの一つ。
行動経済学者のダニエル・カーネマン氏とエイモス・トベルスキー氏が、1979年に発表した行動経済学代表的な成果。
ちなみにこのプロスペクト理論を展開したダニエル・カーネマンは
2002年にノーベル経済学賞を受賞しています。
【FX退場者が多い理由】価値関数グラフから読み取ろう
「FX」に限らず、投資と聞くと退場者が多いイメージありませんか?
巷では「FXには手を出すな」とも言われる事も。。
プロスペクト理論の中でもわかりやすい価値関数グラフを紹介します。

こちらは損益と精神価値の高低差を示したグラフです。
X軸 :損益
Y軸 :精神的価値(満足度や幸福感みたいなものです)
中心点:リファレンスポイント(参照点)
こちらをよく見ると、
利益が出た場合と損失を被る場合とでは精神的価値の感じ方が異なります。
例えば、
同じ「2万円」の利益が出た場合と損を出した場合だと感じ方が違います。
ちなみに損失が膨らめば膨らむほど価値関数の傾きはなだらかになってきます。
極端な話にはなりますが、トレードに置き換えて説明しましょう!
同じ1万円の損を抱えても苦しさが違ってきます。
例えば、
-1,000万円含み損を抱えている状態から-1,001万円の含み損になる時よりも
0円から-1万円の含み損を抱えた時の方が苦しいのです。
0円 → -1万円 > -1,000万円 → -1,001万円
少しでも含み損が出ると苦しいのに、
損失が膨らむと不思議とどうでもよくなってくるのです。
だからこそ、人は利益を早めに確定し、損失は放置してしまう。
その結果、損大利小になりやすく、
含み損を塩漬けにしたまま強制ロスカットをくらってしまうケースが多いのです。
FXはメンタルが大事といわれる由縁
では、FX置き換えて考えてみましょう。
1 目標利益より手前で利確している(チキン利確)
2 ナンピン、塩漬け
3 lotを上げて取り返す
1つでも当てはまったら危険です。
損大利小(コツコツドカン)につながります。
すぐさま改善が必要です。
人間の本能に抗う事は難しい
プロスペクト理論を勉強したので損大利小をしないように気をつけましょうね。
と言われても、これってすごい難しいです。
感情を捨てなさい!と言われてるのと一緒のようなものです。
では、どうやって克服するかを紹介します。
プロスペクト理論を克服しよう!

必ず損切りを設定しよう
よく言われる事ですが、とても大切です。
ぼくは必ずこれやってます。
だいたい20〜30pip/回逆行したら損切りされるように設定しています。
「あ、これシナリオと違うなー」と早めに思えば自ら損切りすることもありますが、
これもメンタル的に難しくてそう簡単に損切りの決済ボタンを押せないのです。

いやいや!戻ってきた結果プラスになったよ
確かに戻ることもあり、結局損切りしない方が勝てた!
そんなケースはあります。
ただ、その状態がずっと続けばいつかは負けます。
相場の世界では生き残る事が第一優先です。
自分のスキルと勝ち方を身につける事が最優先です。
損失分を計算しよう
自分の資金に対して一回のトレードで負けた場合の金額計算してますか?
軍資金に対していくらの損失になるのか負けた時の金額を明確にしておきましょう。
ちなみに、ぼくは一日で2回負けたらトレード終了などのルールを決めています。
自分なりの資金管理ルールを設けるようにしましょう。
それでもルールを守れない方は生活週間を見直しましょう

そもそも損切り設定解除しちゃうし負けを取り戻したくなっちゃうよ〜。我慢できないや。
それ、当たり前なんです。
人間は楽な方、楽な方と道を選ぶ生き物です。
そこで提案です。日頃から逆境に耐えるトレーニングしませんか?
感情の逆をするトレーニングです。
例をあげましょう。
・長距離走る予定だったけどもうやめたい → あと1km頑張ろう!
日常の中で感情に負ける事ありませんか?
ダイエットや仕事、勉強も一緒ですね。
生活週間から変えていきましょう。
最初の問題をもう一度考える
最後に、
プロスペクト理論を学んだ上でもう一度最初の問題を考えてみましょう。
あなたにとって得なゲームをしましょう。どちらか選んでください。
A 無条件で9万円もらえる。
B サイコロを振って奇数が出れば20万円もらえる。
ただし、偶数が出れば0円です。
さて、どちらを選びますか?
プロスペクト理論的には B が正解でしたね。
ただ、ぼくは A の選択もありなんじゃないかと思っています。
ただし、プロスペクト理論が理解できている事が前提です。
A を選ぶ=利確後にチャートを気にするなどせず、
再度相場をフラットに見る事ができれば A を選んでも良いと思っています。
Tash